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法人破産・代表者破産の弁護士費用合計は、一律50万円! 森法律事務所は企業の倒産・再生を得意とする法律事務所です。年間取扱企業整理件数は40社以上、国内トップレベルの取り扱い件数です。

破産申請前の不動産売却

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弊所の特徴
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【財産散逸防止義務と不動産売却との関係】
判例によれば、破産会社代表者や代表者個人は、破産を決意した時点から破産会社や代表者個人の財産の散逸を防止する義務―財産散逸防止義務があります。不動産は、必用やむを得ない場合以外は、売却してはならないということになります。

一方、破産法161条によれば、不動産の売却は
【原則】適正価格である限り問題にならないが
【例外】「隠匿等」の場合は、否認される(ただし、取引の相手方も、悪意であることが必要)
と規定しています。
言いかえれば、適正価格である限り、「隠匿等」の不正行為に該当しない場合は、売却しても構わないということになります。

この両者の関係ですが
① 不動産は法161条に違反しない限り売却できる。
② しかし、財産散逸防止義務の観点から、取得した売却代金は、必用な支出以外は、全て管財人に引き継ぐ必要がある。
③ 破産申請代理人にも換価禁止の義務がある以上は、代理人弁護士が、換価行為に関与しても、これを理由とする手数料を、破産申請手数料と別に取得することは、換価が特別困難だったという事情がない限り、認められない。
と考えることになります。

【法161条が適用される場合】
適正価格でも、否認される場合は、どういう場合でしょう?
条文では、
① 隠匿
② 無償の供与
③ その他の債権者を害する処分行為
の3つを規定しています。①と②は明確ですが、問題は③です。

③については、その費消が「有用の資」にあてたかどうかで判断しています。これは、最高裁が、詐害行為取消訴訟で、「有用な資にあてるための適正価格の売却は、詐害行為にならない」と判断しているので、否認訴訟についても同様に考えるからです。

例えば、子息のための学費、従業員の給料、弁済期の来た買掛金の支払い、こういうものは、「有用な資にあてるため」と言えます。また、予納金や破産申請のための弁護士費用、常識的な生活費、医療費、転居費用、葬儀費用、学費、マンションの管理費や家賃、公租公課、等に費消しても、「有用の資に充てた」と言えますから、やはり、問題はありません。

【不動産売却代金のうち99万円を自由財産として確保できるか】
それでは、不動産を売却して、その売却代金のうち99万円を自由財産として保持することはできるでしょうか?
99万円は破産者の権利だととらえれば保持できることになります。しかし、破産者の財産換価禁止や財産散逸防止義務を重視すると、否定することになります。
これについて、大阪地裁は、明確にこれを否定しています。大阪地裁は、財産を適格拡張財産とそれ以外の財産に分けるという独自の基準をもっており、この規準に基づいて、適格拡張財産は直前の現金化は認めるが、それ以外の財産は、認めないというスタンスです。
一方、東京地裁の考えは明確ではありませんが、財産換価の原則的禁止からして、不動産を換価して現金化し99万円の現金を自由財産として所持するのは、難しいでしょう。ただし、絶対に無理というわけではなく、必要性等を管財人に説明すれば、認めてくれる場合が少なくありません。

【結論】
① 不動産の換価そのものは、否認対象にならない限り、合法で問題はない。
② ただし、不動産売却代金の99万円を自由財産として保持することは困難である。
③ しかし、換価した現金を「有用の資」に費消することは構わない。

次回は、「財産散逸防止義務に違反しない費消」とは何かについて述べます。



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