破産会社代表者の破産申立て前の〇と× その2 破産者・破産申立代理人の義務と換価行為 2015年03月14日 森法律事務所は、年間40社以上の企業の清算・再生を扱う、企業の整理再生に関しては、国内有数の法律事務所です。いつでも、お電話・メールをください。http://www.hasan-net.com/03-3553-5955弊所の特徴① 法人破産代表者破産の弁護士費用合計一律50万円②会社破産(個人破産は含まない)年間申立て件数40以上。国内トップレベル。③ 35年の豊富な実績と弁護士16名のマンパワー④破産会社代表者の破産後の生活確保に全力⑤ 従業員の給与確保と取引先への配慮に尽力電話の際は、必ず破産の相談ですと告げてください。専門部にまわします「破産会社代表者の破産申立て前の〇と× その1」から、お読みください。[疑問点]ここで一つ疑問が生じます。判例法上の義務は、支払い停止の前後を問わず、破産を決意した時点から、会社代表者は、財産散逸防止義務、換価行為禁止義務を負います。つまり、支払い停止前でも、これらの義務違反行為は、管財人から代表者や代理人弁護士に対する賠償責任追及訴訟の対象になります。ところが、破産法上の義務は、支払い停止前は、破産を決意していても、限定された行為のみが否認の対象になり、あとは否認されることはありません。そうすると、会社代表者が「破産を決意しても、支払い停止前の財産散逸防止義務行為、換価行為禁止義務行為は、賠償責任の対象になっても、免責不許可事由や否認の対象にはならない行為がある」ことになります。この時間のずれが奇妙な結論を生じさせます。以下の例で考えてみます。 記「会社代表者Aは、4月15日に、資金繰り表を見て、「4月末の支払いは何とか払えるが、5月末日に来る支払いは、払えない、これは破産しかない」と決断した。この時点で、代表者Aが、会社の預金で債権者のうち、親しい取引先や親類などに弁済した。」まず、破産を決意した時点から、会社代表者や相談を受けた弁護士には、財産散逸防止義務や換価行為禁止義務が課せられます。したがって、この時点以降の財産処分行為は、損害賠償の対象になり、役員や代理人弁護士が訴えられることになるはずです。しかし、これは、法の禁止する偏波弁済ではありません。偏波弁済禁止は、支払い停止後30日前までだからです。5月末に支払い停止になっても、4月15日時点では、支払い停止前45日で、偏波弁済は自由です。そうすると、Aの行為は、財産散逸防止義務・換価行為禁止に違反する行為ですが、法の禁止する偏波弁済ではないということになります。このギャップをどのように解釈すればいいのでしょう?。もっと言えば、破産法の否認規定さえクリアーすれば、財産を散逸しても換価しても、自由という解釈も成り立つ余地もあります。いずれにせよ、これでは整合性がとれていません。そのため、最近は、「支払停止」を、広く解し、弁済期が来た債務が、とりあえずは支払えても、将来の債務不履行が高度の蓋然性をもって予想されるときは、「支払停止」と解すべきだとする見解が有力なようです。この点に関する判例は、いまだありませんが、破産会社代表者は、破産後の再生を考えると、破産を決意した以降は、財産散逸防止義務、換価行為禁止義務を厳格に遵守した方が安全でしょう。まあ、それ以前に、まともな弁護士なら、破産の相談に来た会社代表者に、「否認にならないから売っちまえ、弁済してしまえ」とは、アドバイスしないでしょうけど。少なくとも、自分は、懲戒処分を受ける可能性あるアドバイスなんかできません。是非 ご購読ください。(大学でテキストとして利用されています。また楽天ブックス・ベストセラーの一冊になっています。)「図解で早わかり 倒産法のしくみ」森公任 森元みのり 共同監修http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4054定価: 1,890円(本体:1,800円+税) 「法的整理から私的整理まで、様々な倒産制度のしくみや実務上のポイントがわかる。また、解散・清算、M&Aの知識まで倒産関連の知識を集約。さらに、法人破産以外の個人民事再生や個人破産についてもフォローした一冊! 」 PR