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法人破産・代表者破産の弁護士費用合計は、一律50万円! 森法律事務所は企業の倒産・再生を得意とする法律事務所です。年間取扱企業整理件数は40社以上、国内トップレベルの取り扱い件数です。

破産会社代表者の破産申立て前の〇と×  その2

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弊所の特徴
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「破産会社代表者の破産申立て前の〇と×  その1」から、お読みください。
[疑問点]
ここで一つ疑問が生じます。
判例法上の義務は、支払い停止の前後を問わず、破産を決意した時点から、会社代表者は、財産散逸防止義務、換価行為禁止義務を負います。つまり、支払い停止前でも、これらの義務違反行為は、管財人から代表者や代理人弁護士に対する賠償責任追及訴訟の対象になります。
ところが、破産法上の義務は、支払い停止前は、破産を決意していても、限定された行為のみが否認の対象になり、あとは否認されることはありません。

そうすると、会社代表者が「破産を決意しても、支払い停止前の財産散逸防止義務行為、換価行為禁止義務行為は、賠償責任の対象になっても、免責不許可事由や否認の対象にはならない行為がある」ことになります。
この時間のずれが奇妙な結論を生じさせます。
以下の例で考えてみます。
   記
「会社代表者Aは、4月15日に、資金繰り表を見て、「4月末の支払いは何とか払えるが、5月日に来る支払いは、払えない、これは破産しかない」と決断した。
この時点で、代表者Aが、会社の預金で債権者のうち、親しい取引先や親類などに弁済した。」

まず、破産を決意した時点から、会社代表者や相談を受けた弁護士には、財産散逸防止義務や換価行為禁止義務が課せられます。したがって、この時点以降の財産処分行為は、損害賠償の対象になり、役員や代理人弁護士が訴えられることになるはずです。

しかし、これは、法の禁止する偏波弁済ではありません。偏波弁済禁止は、支払い停止後30日前までだからです。5月末に支払い停止になっても、4月15日時点では、支払い停止前45日で、偏波弁済は自由です。
そうすると、Aの行為は、財産散逸防止義務・換価行為禁止に違反する行為ですが、法の禁止する偏波弁済ではないということになります。このギャップをどのように解釈すればいいのでしょう?。

もっと言えば、破産法の否認規定さえクリアーすれば、財産を散逸しても換価しても、自由という解釈も成り立つ余地もあります。

いずれにせよ、これでは整合性がとれていません。そのため、最近は、「支払停止」を、広く解し、弁済期が来た債務が、とりあえずは支払えても、将来の債務不履行が高度の蓋然性をもって予想されるときは、「支払停止」と解すべきだとする見解が有力なようです。

この点に関する判例は、いまだありませんが、破産会社代表者は、破産後の再生を考えると、破産を決意した以降は、財産散逸防止義務、換価行為禁止義務を厳格に遵守した方が安全でしょう。
まあ、それ以前に、まともな弁護士なら、破産の相談に来た会社代表者に、「否認にならないから売っちまえ、弁済してしまえ」とは、アドバイスしないでしょうけど。少なくとも、自分は、懲戒処分を受ける可能性あるアドバイスなんかできません。


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