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破産会社代表者の破産申立て前の〇と×  その1

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破産申立を決意した代表者の義務は、二つの側面から規定されます。

一つは、破産法が規定している義務です。偏波弁済の禁止や、財産減少行為などが、これにあたります。実定法上の義務と言えます。
もう一つは,財産散逸防止義務や換価行為禁止義務で、これは、破産法に明文がなく、信義則上の義務です。判例法の義務とも言えます。

[信義則上の義務]
信義則上の義務は、このブログでも、繰り返し述べています。
会社経営者は、破産を決意した時点から、
① 会社財産の散逸を防ぎ(財産散逸防止義務)、
② 資産を売ってはならない(換価行為禁止)というもので、
破産申立代理人も、同様の義務を負います。この義務に違反した場合は、会社代表者や破産申立代理人は、損害賠償責任を負い、管財人から財産散逸防止義務違反や換価行為禁止違反を理由として、賠償請求されることになります。
ただ、この義務は、法律には明記されておらず、判例で形成されたものです。
この義務の発生時期は、会社経営者が破産を決意したときです。

[実定法上の義務]
法律は、偏波弁済の禁止や、財産減少行為などが禁止しています。大きく分けて、二つです。
① 特定の債権者だけを優遇する行為の禁止と
② 会社財産の減少を禁止
する行為です。
破産法は、これらの行為を、支払い停止前と支払い停止後にわけて規制しています。
なお、支払い停止とは、弁済期の来ている債務が弁済できない状態を言い、弁済期の来ていない債務の支払予定がたたないのは、支払い停止とはいいません。
〈支払い停止後〉
すでに支払いが停止した以上、債務者は、債権者に配当されるべき責任財産を確保しておくべきであると考えられています。
したがって、
弁済期到来の有無を問わず、特定の債権者に対する弁済は否認されます。
担保設定の義務の有無を問わず、特定の債権者に対する担保設定も否認されます。
③ その他、債務者の財産を減少させる一切の行為、取引の相手方の債務を消滅させる一切の行為も、詐害の意思の有無を問わず、否認されます。
④ あわてて対抗要件を具備する行為も、権利設定・移転日から15日経過後は、否認されます。
いずれも受益者が事実を知っていることが必要です。
ただし、立証責任は、異なります。
①②の「義務がある場合の偏波行為」③の「対抗要件具備行為」だけは、管財人の方で、受益者を知っていたと証明する必要があります。それ以外は、受益者のほうで「自分は知らなかった」ということを証明しなければなりません。
〈支払い停止前〉
これに対し、支払い停止前は、厳しい規制はありません。
① 特定の債権者に対する弁済や担保設定は、「弁済期がきていないのに弁済した」り、「担保設定の義務がないのに担保を設定する」場合のみ、否認の対象になります。しかも、対象になるのは、支払い停止後30日前までです。また、受益者が知らなかったということを証明すれば否認されません。
② 弁済や担保提供以外の財産減少行為は、債権者が害されることを認識していた場合のみ、否認の対象になります。
なお、不動産を処分し、隠匿しやすい金銭等に変える等「隠匿等のおそれを現に生じさせる」行為は、支払い停止の前後を問わず、全て否認されます(同時交換的財産処分行為
また、法人内部者・近親者への行為は悪意が推定されます。

[偏波弁済に対する制裁]

偏波弁済等は、破産法的には、際めて悪質な行為とされ、厳しい制裁受けます。
1、役員が損害賠償を請求される。
偏波弁済で会社財産が散逸すれば、会社代表者や役員の損害賠償請求査定の対象になります。こうなると免責どころではありません。
2、免責が不許可になる。
個人の場合は、免責不許可事由に該当し、免責が許可されないリスクが高くなります。
3、犯罪になる。
特定の債権者に弁済するというレベルを超えて隠匿・毀棄に比肩し得る程度に債権者全体に絶対的な不利益を及ぼし得るほどの処分行為は、犯罪で詐欺産罪となり、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科します(破産法266条)。
4、否認される。
支払い停止後に偏波弁済等があると、管財人が、その行為を否認します。取引の相手方は、せっかく受領した弁済金を返済することになります。

「破産会社代表者の破産申立て前の〇と×  その2」へ続く。

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