忍者ブログ
法人破産・代表者破産の弁護士費用合計は、一律50万円! 森法律事務所は企業の倒産・再生を得意とする法律事務所です。年間取扱企業整理件数は40社以上、国内トップレベルの取り扱い件数です。

災 と 自由財産

森法律事務所は、年間40社以上の企業の清算・再生を扱う、企業の整理再生に関しては、国内有数の法律事務所です。いつでも、お電話・メールをください。
http://www.hasan-net.com/
03-3553-5955
弊所の特徴
① 法人破産代表者破産の弁護士費用合計一律50万円
②会社破産(個人破産は含まない)年間申立て件数40社以上。国内トップレベル。
③ 35年の豊富な実績と弁護士17名のマンパワー
④破産会社代表者の破産後の生活確保に全力
⑤ 従業員の給与確保と取引先への配慮に尽力
電話の際は、必ず破産の相談ですと告げてください。専門部にまわします.

12月12日の「漢字の日」に京都の清水寺で発表される今年の漢字は「災」でした。確かに今年は災害が多かったですね。
そこで、今年最後のブログは「災害」関連の破産法上の問題を検討してみたいと思います。

1、差押禁止財産か

地震や水害で家や家財を失い、生活の場がなくなる、そういうとき、国からは、いろいろな援助金が交付される場合があります。そういう援助金や支援金は、破産法上、99万円の現金(東京なら、これとは別に預金20万円)の枠内でしか認められないのでしょうか。

災害を受けた場合、特別法により支給される金員があります。
ひとつは災害弔慰金の支給等に関する法律により支給される災害弔慰金。死亡の場合は500万円、負傷の場合は250万円を上限として支給されます。
もう一つは被災者生活再建支援法に基づいて支給される生活再建支援金等。全壊等で居住が長期にわたり無理という場合は100万円、大規模半壊は50万円支給されます。
このほかに特別法ではありませんが、義援金があります。寄付を寄せられた日本赤十字社等から、各市町村を通じて被災者に支給されるもので、これは、贈与になります。
これらの受給権やあるいは受領した現金は、特別法で、差押え禁止財産とされていますから、本来的自由財産であり、破産財団に組み込まれることはありません。

問題は、これらの受給権が預金に振り込まれた場合、その預金はどうなるのか、ということです。
預金債権に転化してしまえば、お金に色がない以上、普通の預金債権となり、これを特別法が禁止する差押え禁止財産と解することは難しく、やはり、普通の預金債権と同じように扱しかないと思われます。
しかし、被災者に支給された弔慰金が、たまたま預金になっていたというだけで取扱いを異する合理的理由はありません。仙台地裁では、この預金債権は、破産財団を構成しないものとして取り扱っているようですが、各地方裁判所の動向は、わかりません。

2、自由財産の拡張
もう一つの問題は、災害に遭われた方々の場合、それを理由として自由財産の拡張が認められるかということです。

地震や水害にあったことを理由として、自由財産拡張の申立てができるでしょうか?
従来の自由財産拡張は、認めなければ人道上問題がある、というハイレベルの水準が要求されました。例えば高齢で病気がちの破産者の医療保険等です。
破産される方は、全員が金銭的に追い詰められている方が多いから、「可哀そうだ」「困っている」というレベルでは、自由財産拡張は問題外というのが裁判所の考えです。
これは、震災についても言えます。震災で生活にこまっていることを理由として自由財産拡張の申し立てをしても、そう簡単には認められないでしょう。
もっとも、震災のため格別に困窮しているという場合なら検討の余地もあります。震災で家具やそのほかの電化製品等を失った、避難施設に入所するとしても、家財道具を買いそろえる必要がある、こういう場合は諸事情を考慮して、認められる余地もあります。
この場合、一方で、破産者の困窮度(子供や高齢者、病人等)を考え、他方で債権者に配当可能な程度の破産財団であるか否かを考慮することになります。破産者の家族構成から人道上何らかの配慮が求められる場合や破産財団が充実して十分配当可能な場合は、自由財産拡張にむかいます。


(注)
おかげさまで、このブログは、平日は一日で100人前後の訪問者がいます。総アクセス数は、一日で150件前後です。ただ、このブログは、主に専門家が実務の参考にすることを前提としたレベルで記載しています。会社破産の制度一般について知りたい方は、弊所代表弁護士森公任・副代表弁護士森元みのりの倒産法の全て」148~189頁で、一般の方向けに簡潔かつ簡易に記載してあります。初歩的で全体的な情報が必要な方は、下記の本を是非 ご購読ください(あまたある倒産法の中で異例のベストセラーロングセラーになっています)
森公任 森元みのり による「図解で早わかり 倒産法のしくみ」
 
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4054
倒産法のしくみ[森公任]
定価: 1,890円(本体:1,800円+税)
「法的整理から私的整理まで、様々な倒産制度のしくみや実務上のポイントがわかる。
また、解散・清算、M&Aの知識まで倒産関連の知識を集約。
さらに、法人破産以外の個人民事再生や個人破産についてもフォローした一冊! 」


2、森・森元による「入門図解 最新 中小企業のための会社法務の法律常識と実務ポイント (事業者必携)」
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4438


中小企業で生ずるであろう法律問題を、ほぼ全て網羅し、その解決策を簡潔に記載しています。これ一冊あれば、中小企業法務は、ほとんど解決できるはずです。中小企業の経営者の方ばかりでなく、中小企業の顧問弁護士を目指す先生方にも、お役に立てると思います。経営者からどのよう質問を受けても、この書籍にはほぼすべてのアドバイスが書いてあるからです。

入門図解 最新 中小企業のための会社法務の法律常識と実務ポイント (事業者必携)


3,   森・森元による
「すぐに役立つ 改正対応 著作権・コンテンツビジネスの法律とトラブル解決マニュアル」
https://www.sanshusha.co.jp/np/isbn/9784384047981/

WEB、出版、広告、映像、音楽、美術など「暮らし」と「ビジネス」に関わる疑問や法律問題がわかる!2018年の著作権法改正(2019年1月施行)、TPP関連法に対応。●著作物にあたるのかどうかの判断基準がわかる ●著作権の帰属や管理、契約書の作成など法律知識も網羅 ●著作権侵害行為の類型や対抗法、送信防止措置、発信者情報開示請求がわかる TPP11発効後の著作権法改正についてもフォロー



改正対応 著作権・コンテンツビジネスの法律とトラブル解決マニュアル (すぐに役立つ)
PR