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集合債権譲渡担保その3  最判平成16年7月16日と街金業者

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「集合債権譲渡担保その1・その2」から、お読みください。
前回のブログでは、債権譲渡登記をしていることを前提として述べましたが、今回は、その債権譲渡登記がされていない場合です。

債権を譲渡担保に取る場合、対抗力を持つためには、債権譲渡登記や通知をしなければならないのですが、これは、同時に担保設定者が「アブナイ」ということを知らせることにもなり、担保設定者は、多くの場合、通知等に抵抗します。
そこで、実務的には、担保設定時には通知等をせず、いよいよアブナクなってから、通知等をだすことになります。

ところが、その担保設定会社が破産すると、そういう通知は、「危機時における対抗要件具備行為」として、管財人から否認されます。破産法164条1項は,支払停止後の対抗要件具備行為であって,原因行為から15日を経過してなされたものは,受益者が支払停止等について悪意であれば否認できることを規定しており、通常は、15日経過しているからです。

そこで、これを避けようとして、担保設定時は、単なる担保設定の予約だとか、支払い停止等を条件として、債権譲渡担保が効力を生ずるという、かなり無視筋は法律構成を工夫しました。これだと破産法164条1項をクリアできます。

しかし、かなり無理筋な工夫で、最高裁は、こういう条件型債権譲渡担保や予約型債権譲渡担保は、否認対象になるとしました。(最高裁判所平成16年7月16日判決)。
「債務者の支払停止等を停止条件とする債権譲渡契約は,その契約締結行為自体は危機時期前に行われるものてあるが、
契約当事者は,その契約に基つく債権譲渡の効力の発生を債務者の支払停止等の危機時期の到来にかからしめ,これを停止条件とすることにより,
危機時期に至るまで債務者の責任財産に属していた債権を
債務者の危機時期が到来するや直ちに当該債権者に帰属させる
ことによって,これを責任財産から逸出させることをあらかしめ意図し,これを目的として,当該契約を締結しているものてある。
 上記契約の内容,その目的等にかんかみると,上記契約は,破産法72条2号の規定の趣旨に反し,その実効性を失わせるものであって,
その契約内容を実質的にみれば
上記契約に係る債権譲渡は,債務者に支払停止等の危機時期か到来した後に行われた債権譲渡と同視すべきものてあり,上記規定に基つく否認権行使の対象となる」

この判決は、債権譲渡担保契約についてのものですが、その趣旨は、街金業者にも適用できます。
高利貸が事業者に融資する際に、白紙の債権譲渡通知を多数取得しておいて、手形不渡等が発生した場合に債権譲渡通知書の内容を補充して発送する、というようなことが行われることがあります。
しかし、上記の最高裁の判例からすれば、債務者が破産手続をとった場合には、本件のように否認されることになります。
意外なところで、街金業者対策が可能になったわけです。
(注)
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