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会社法改正と会社分割その2

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会社法改正と会社分割その1からお読みください
【改正会社法】
そこで、会社法が改正され、今度は、いきなり新設会社に請求できることになった。
① 請求できる債権者は、新設会社に承継されない債務の債権者、つまり分割会社に従来通り請求できる債権者である。上記の例でいえば、金融機関や債権者Cである。
② この場合、残存債権者、つまり金融機関や債権者Cは,新設会社D社に対して,A社の債務の履行を請求することができる。
③ ただし、その企業分割が、債権者を害する詐害的会社分割である場合に限られる。
④ 詐害的会社分割でも、吸収分割承継株式会社D社が吸収分割の効力を生じた時において残存債権者を害すべき事実を知らなかったときは,この限りでない。
⑤ 請求できる範囲はA社から承継した財産の価額を限度とする。

今後は、詐害的企業分割が施行された場合は、債権者は、詐害行為取消権を行使するか、新設会社に請求するか、いずれかの権利を行使できることになる。
両者の違いは、詐害行為取消権は、新設会社に移動した「モノ」を「裁判」で「旧会社に取り戻す」ことだが、新会社法の場合は、「債務の履行」を「新会社に請求する」ことである。
簡便さからして、会社法の新設規定が利用されるケースが圧倒的に多くなるのではないか。

【会社分割の詐害性の判断基準】
今後の争点は、どういう場合が「債権者を害する」と言えるかどうかである。
改正法は、それについては何も規定していない。
実は、この点は、非常に難しい問題を含んでいる。

「詐害性」を緩やかに解釈すると債権者平等が実現されることになる。しかし、このような解釈は、事業再生に企業分割が利用されなくなるリスクがある。
逆に「詐害性」を厳格に解釈すると、事業再生には、積極的に企業分割が利用されるが、反面、詐害的な企業分割の横行を許すことになる。
詐害性の解釈は、この二つの相反する要請をどのように調整するかという判断でもある。
これに関する議論は、まだ十分尽くされていない。
主に事業再生を主たる業務分野とする業界からは、できるだけ詐害性を狭く解釈し、中には、骨抜きにするつもりなのではないかとしか考えられないような意見さえでている。
一方、事業再生よりは、公平な倒産制度を実現しようという立場からは、できるだけ詐害性を広く解し、中には、債務超過になる企業分割は全て詐害性があるとして、事実上、旧商法時代にもどそうとする意見もある。

参考になるのは、最判H24・10・12の須藤正彦裁判官による補足意見である。事案は、3300万円の不動産がある会社が新設会社に、その3300万円の不動産を移し、また3,200万円の負債も移したという事案である。この結果、
1、 新設会社は3,300万円の資産と3,200万円の負債の会社となった。
2、 分割会社の資産は、100万円の価値のある新設会社の株だけになった。

企業会計上は、分割会社には、新設会社の株が交付されているから、資産と負債のバランスシートには何の変化もない。企業会計的には、相当な対価が支払われている。
須藤裁判官は、これに対し、分割会社の債権者と新設会社の債権者の弁済率が異なったことが問題だと指摘し、次のように述べている。
① 本件新設分割における対価が(企業会計的には)相当であるとしても
② 本件残存債権の責任財産は、大幅に変動するなどの事態が生じ
③ 本件残存債権者と本件承継債権者との間で著しい不平等が生ずるに至った
④ だから詐害性がある。

つまり、会社の資産を処分した場合の弁済率が、承継会社の債権者と分割会社の間で著しく異なるか否か、これが詐害性の判断基準となることになる。

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