[注目点2 再生可能2要件に該当するか] しかし、経営資源がモノに頼る場合は、この方法では再生できません。工場とかレストランとか、経営資源の多くが不動産や造作にかかっています。 こういう場合は、弊職の場合は、次の①か②のいずれかに該当する場合のみ、再生が可能かどうかを判断します。 ① 「企業存続の社会要請が強い企業である。」 例えば、地域医療を支える病院なんかその典型例です。特殊技術を持つメーカー、あるいは地域企業の中核となっている企業もそうです。 こういう企業存続の社会的要請が強い企業は、金融機関も取引先も、財務諸表の内容が多少悪くても、リスケや債権カットに応じ、積極的に再生を支援します。民事再生も費用さえ工面できれば、積極的に申請すべきです。(中小企業支援協議会や事業再生ADRは、やめた方がいい。その理由は以前のブログで述べ増した)。 これに対し、その企業の存続の社会的要請がそれほどではない場合、つまり代替性のある企業の場合は、再生のための債権カットに金融機関や債権者が同意する可能性は極めて低いです。リスケや債権カットに応ずるハードルは高くなります。よほどの特殊事情がない限りは、企業再生は困難と思ったほうがいいでしょう。 例えば、レストラン。財務諸表がよほど良好でない限りは、清算を考えるべきです。民事再生を申し立てても破産手続きに移行する可能性は高いでしょう。
② 「本業の営業利益が黒字である。」 企業存続の社会要請が強い企業でなくとも、会社の営業利益は黒字なのに、それ以外の事情で赤字あるいは支払い不能になっているときは、企業再生を検討すべきです。 例えば、会社代表者が為替デリバティブに手をだしたり、無理して高価な自社ビルを買って、その結果、支払い不能になっているときは、企業再生は十分可能です。債権者も検討対象にしてくれます。ただし、この場合、経営者に責任があるときは、代表者の交代をさせられる可能性は高いです。