過払い金回収と自己破産制度 破産者・破産申立代理人の義務と換価行為 2014年10月08日 森法律事務所は、年間40社以上の企業の清算・再生を扱う、企業の整理再生に関しては、国内有数の法律事務所です。いつでも、お電話・メールをください。http://www.hasan-net.com/03-3553-5955弊所の特徴① 法人破産代表者破産の弁護士費用合計一律50万円②会社破産(個人破産は含まない)年間申立て件数40以上。国内トップレベル。③ 35年の豊富な実績と弁護士16名のマンパワー④破産会社代表者の破産後の生活確保に全力⑤ 従業員の給与確保と取引先への配慮に尽力電話の際は、必ず破産の相談ですと告げてください。専門部にまわしますネットを開くと、ともかく弁護士の広告が目立つ。「過払い金」か「交通事故」である。一時は交通事故の広告が目立ったが、ここにきて過払い金の回収宣伝が目立つようになった。これほど宣伝があふれる士業は他にないし、医師などもこんな派手な宣伝をしていない。しかも、こういう派手な宣伝広告をする事務所の多くは、規模的には、うちと同等かうちよりも小さい事務所が大部分で、この程度の規模で、うちの何十倍もの広告宣伝費をかけてペイするんだろうかと疑問に思うが、ペイするから広告をしているんであって、つまりは、過払い金は、それほどおいしい仕事なのだろう。先月、うちの事務所にも、1年ぶりくらいに過払い金の仕事が来た。ただ、例によって依頼者は法人で、ウチは、最近、負債関係は、法人専門みたいになっている。別に個人客を拒否しているわけではないので、できれば、個人客にもどんどん事務所の門をたたいてもらいたいが、残念ながら、個人客は、広告宣伝費で圧倒する債務整理系事務所に取られている。さて会社破産するとき、普通は、法人代表者個人も同時に破産する。このとき法人代表者個人に過払い金がありそうな場合がある。こういう場合、過払い金を回収してから自己破産すべきだろうか、それとも、過払い金を回数せず管財人に引き継ぐべきだろうか。法人破産は、ともかくスピードが命だから、普通は、過払い金を回収する時間的余裕がない。目の前に迫りつつあるXデー(手形や買掛金の決済日)の前に破産申し立てをしなければならないからである。過払い金回収をして破産申立て日がXデー以降になったら申立代理人が法的責任を問われる。それでも、例えば、法人が何年か前に事実上倒産し、実体は何もない、こういう会社の破産は、同じ法人破産でも、消費者破産に近い。こういう場合は、Xデーは気にする必要はないから、過払い金を回収してから自己破産の申立をしてもよいのだろうか。こういう場合でも、裁判所サイドは、違法とはいわないが、消極的である。過払い金も破産財団を構成すべき重要な資産であり、公的な立場の管財人が回収すべで、代理人が回収すべきではないと考えている。ただ、申立代理人の立場からすれば、過払い金を回収してから自己破産の申立をすれば、破産者は現金99万円を所持したまま自己破産できるし、弁護士費用も過払い金から回収できる。また、過払い金回収についても、独自に弁護士報酬が請求できる。したがって、破産を急ぐ必要のない例外的ケースでは、申立て代理人が過払い金を回収しても違法とはいえないと考える。ただし、破産申し立てにあたっては、過払い金回収の収支を明らかにして管財人に引き継ぐ必要がある。弁護士の報酬、破産者に交付した現金の額、等、その使い途を明らかにすべきである。破産申し立て予定者への過払い金交付は認められるだろうかもし管財人が回収していたら債権者への配当に回される金である。当面の生活維持に、やむを得ない必須のものなら認められるが、これを超えた場合は、破産管財人から否認されるリスクは高い。是非 ご購読ください。(大学でテキストとして利用されています。また楽天ブックス・ベストセラーの一冊になっています。)「図解で早わかり 倒産法のしくみ」森公任 森元みのり 共同監修http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4054定価: 1,890円(本体:1,800円+税) 「法的整理から私的整理まで、様々な倒産制度のしくみや実務上のポイントがわかる。また、解散・清算、M&Aの知識まで倒産関連の知識を集約。さらに、法人破産以外の個人民事再生や個人破産についてもフォローした一冊! 」 PR
再生に注意!!法人税の第二次納税義務 破産手続を利用した再生 2014年09月08日 森法律事務所は、年間40社以上の企業の清算・再生を扱う、企業の整理再生に関しては、国内有数の法律事務所です。いつでも、お電話・メールをください。http://www.hasan-net.com/03-3553-5955弊所の特徴① 法人破産代表者破産の弁護士費用合計一律50万円②会社破産(個人破産は含まない)年間申立て件数40以上。国内トップレベル。③ 35年の豊富な実績と弁護士16名のマンパワー④破産会社代表者の破産後の生活確保に全力⑤ 従業員の給与確保と取引先への配慮に尽力電話の際は、必ず破産の相談ですと告げてください。専門部にまわします個人の場合、税金は破産しても免責されない。生涯追及される。しかし、法人は、破産宣告と同時に解散するので、法人税の免責という問題はおきない。だから、法人税は、破産宣告さえうければもう関係ない。そう思われている方が多いでしょう。そこで多額の法人税を踏み倒したまま、同じ場所に同じメンバーで新会社を設立し、堂々と従前と同じ事業を継続する。よくある話です。ところが、国税徴収法は、破産した会社と一定の関係にある会社・個人が、破産した会社の法人税について二次的に納税義務を負うと規定しています。結論から言えば、第二次納税義務の規定は、会社の破産整理とともに事業継続を断念する場合には、株主や取締役に対して、一定の財産以外の個人財産にまでは、基本的に責任を問うものではありません。しかし新会社や友人の会社等を頼りに事業継続をしよう とする場合には、法人税の第二次納税義務を考慮しなければなりません。 関係ある条文は、以下の通りです。税法の条文は、ともかく難解ですが、倒産させたうえで再生しようという場合は、以下の条文について、弁護士や税理士と十分に相談してください。なお、「税大講本」に図解入りで分かりやすく説明してあります。http://www.nta.go.jp/ntc/kouhon/tyousyu/pdf/08.pdf【1】無限責任社員の第二次納税義務(徴33条)次のすべての要件に該当するときは、無限責任社員(合名会社の社員及び合資会社の無限責任社員)に対し、第二次納税義務を負わせることができます。 ①合名会社又は合資会社が国税を滞納したこと②当該合名会社又は合資会社に対して滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足すると認められること【2】清算人等の第二次納税義務(徴34条)(1)内容次のすべての要件に該当するときは、清算人又は残余財産の分配等を受けた者に対し、第二次納税義務を負わせることができます。 ①法人が解散したこと②当該解散した法人に課されるべき国税などを納付しないで、清算人が残余財産の分配等をしたこと③当該法人に対して滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足すると認められること(2)解散した場合解散した場合、とは、株主総会等で解散の日を定めた場合はその日が経過したとき、解散の日を定めなかった場合には解散決議があったとき等をいいます。なお、解散の事由が法人の合併、組織変更、破産にかかるものである場合には、当該「解散した場合」には含まれません。なお、この解散には、登記の有無を問わないこととされています。 【3】同族会社の第二次納税義務(徴35条①)次のすべての要件に該当するときは、同族会社に対し、第二次納税義務を負わせることができる。なお、「同族会社」とは、主たる納税者を判定の基礎となる株主等として選定した場合の、法人税法第2条10号の「同族会社の定義」に該当するものをいいます。 ①主たる納税者が同族会社の株式等を有していること②主たる納税者が有する株式等について、次の事由が生じていること(a)差し押さえた株式等を再度換価に付してもなお買受人がないこと(b)差し押さえた株式等の譲渡について、定款等に制限があるため、又は株券不発行のため、譲渡することに支障があること③滞納者に滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足すると認められること【4】実質課税額等の第二次納税義務(徴36条)(1)内容次のすべての要件に該当するときは、実質所得者課税の原則等の規定に基づき課された国税について、(2)に掲げる第二次納税義務を負うべき者に対して、第二次納税義務を負わせることができます。 ①納税者が実質所得者課税の原則等の規定により課された国税を滞納していること②滞納者に対して滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足すると認められること(2)第二次納税義務を負うべき者①所得税法第12条「実質所得者課税の原則」又は所得税法第158条「事業所の所得の帰属の推定」又は法人税法第11条「実質所得者課税の原則」の規定により課された国税につき、その国税の賦課の起因となっている収益が法律上帰属するとみられる者②消費税法第13条「資産の譲渡等を行った者の実質判定」の規定により、事業として対価を得て行われた資産の貸付けにつき課された国税について、当該貸付けを法律上行ったものとみられる者③所得税法第157条「同族会社等の行為又は計算の否認等」、法人税法第132条「同族会社等の行為又は計算の否認」等の規定により課された国税については、これらの規定により否認された納税者の行為(否認された計算の基礎となった行為を含む)につき、利益を受けたものとされる者【5】共同的な事業者の第二次納税義務(徴37条)(1)内容次のすべての要件に該当するときは、納税者の事業に係る国税につき、(2)の「第二次納税義務を負うべき者」に対し、第二次納税義務を負わせることができます。 ①納税者の配偶者等が、納税者の事業の遂行に欠くことのできない重要な財産を有していること②①の重要な財産に関して生ずる所得が当該納税者の所得となっていること③納税者が①の重要な財産の供されている事業にかかる国税を滞納していること④滞納者に対して滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足すると認められること(2)第二次納税義務を負うべき者①納税者が個人である場合には、その者と生計を一にする配偶者その他の親族で、納税者の営む事業から収入を得ているもの②納税者がその事実のあった時において同族会社に該当する場合にはその判定の基礎となった株主等【6】事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務(徴38条)次のすべての要件に該当するときは、納税者の譲渡した事業に係る国税につき、納税者から事業の譲渡を受けた親族その他の特殊関係者に対し、第二次納税義務を負わせることができます。 ①国税の法定納期限の1年前の応当日後に納税者が親族その他の特殊関係者(納税者の親族その他納税者と特殊な関係にある個人、同族会社等を含む)に事業を譲渡したこと②事業の譲受人が同一とみられる場所において同一又は類似の事業を営んでいること③納税者が譲渡した事業にかかる国税を滞納していること④滞納者に対して滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足すると認められること【7】無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務(徴39条)次のすべての要件に該当するときは、債務の免除その他第三者に利益を与える処分をした滞納者の国税につき、当該債務免除等により権利を取得し又は義務を免れた者について、第二次納税義務を負わせることができます。 ①納税者が法定納期限の1年前の応当日後に上記債務免除等の処分をしたこと②国税の徴収が不足している原因が、上記債務免除等の処分に基因していること③滞納者に対して滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足すると認められること【8】人格のない社団等に係る第二次納税義務(徴41条)(1)人格のない社団等の財産の名義人の第二次納税義務次のすべての要件に該当するときは、人格のない社団等に帰属するとみられる財産で、第三者に法律上帰属するとみられる財産の名義人に対し、第二次納税義務を負わせることができます。 ①人格のない社団等が国税を滞納していること②人格のない社団等に帰属する財産が第三者の名義になっていること③当該人格のない社団等に属する財産(②の財産を除く)につき、滞納処分を行ってもなお徴収すべき額に不足すると認められること(2)人格のない社団等から財産の払い戻し等を受けた者の第二次納税義務次のすべての要件に該当するときは、人格のない社団等から財産の払い戻し又は分配を受けた者に対し、第二次納税義務を負わせることができます。 ①滞納者である人格のない社団等が法定納期限の1年前の応当日後に財産の払い戻し又は分配をしたこと②滞納者に対して滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足すると認められることなお、国税通則法においては、第1章第2節「国税の納税義務の承継等」に、納付義務が承継される場合や連帯納付義務及び連帯納付責任に ついての規定を設けていますが、これらは主として法人が合併や分割等をした場合において合併法人等にその納税義務等を承継させる旨等を規定した内容ですので、破産宣告を受けた場合は、関係ありません。 是非 ご購読ください。(大学でテキストとして利用されています。また楽天ブックス・ベストセラーの一冊になっています。)「図解で早わかり 倒産法のしくみ」森公任 森元みのり 共同監修http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4054定価: 1,890円(本体:1,800円+税) 「法的整理から私的整理まで、様々な倒産制度のしくみや実務上のポイントがわかる。また、解散・清算、M&Aの知識まで倒産関連の知識を集約。さらに、法人破産以外の個人民事再生や個人破産についてもフォローした一冊! 」
誠意があれば、免責される 免責 2014年08月27日 (法人破産・個人破産その他負債整理の相談は、30余年の伝統を誇る森法律事務所へ会社破産と代表者破産の弁護士費用合計50万円のみ!弊所の特徴① 法人破産代表者破産の弁護士費用合計一律50万円② 34年の豊富な実績と弁護士16名のマンパワー③ 破産会社代表者の破産後の生活確保に全力④ 従業員の給与確保と取引先への配慮に尽力森法律事務所は、企業・個人の再スタートのお手伝いをさせていただきます。http://www.hasan-net.com/houzin-kaisha-hasan.htmlhttp://www.hasan-net.com/03-3553-5955電話の際は、必ず破産の相談ですと告げてください。専門部にまわします)会社が破産すれば、会社は解散し消滅する。しかし、同時に破産した代表者は、今後も社会人として生きていく。もし、このとき免責されれば、代表者は自由財産(現金99万円他)を維持したまま負債ゼロから人生をリセットできるが、免責されなければ生涯破産者として多額の負債を抱えたまま生きていかなければならない。代表者にとっては、免責されるか否かは、重大問題だ。どういう場合に免責が不許可になるかは、破産法に規定がある(破産法252条1項)。 (1) 債権者を害する目的で、自分の財産を隠したり壊したり、売却したりする行為(破産法252条1項1号)。 (2) わざと著しく不利益な条件で借金したり、ローンで買って売り払ったりする行為(破産法252条1項2号)。 (3) 特定の債権者に対し弁済したり担保を提供したりする行為(破産法252条1項3号)。 (4) 浪費やギャンブル(破産法252条1項4号)。 (5) 破産申立てをする前の1年間に,住所,氏名,年齢,年収等の経済的な信用に関わる情報について嘘をついたこと(破産法252条1項5号)。 (6) 帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、または変造したこと(破産法252条1項6号)。 (7) 虚偽の債権者名簿または債権者一覧表を提出したこと(破産法252条1項7号)。 (8) 裁判所や破産管財人が行う調査に協力しなかったり邪魔をした場合(破産法252条1項8・9・11号)(9) 破産の申立てをした日から数えて7年以内に免責を受けたことがある場合(破産法252条1項10号)。 この免責不許可条項を見て、破産を検討している多くの代表者は、「まずいなぁ」と思うのではないでしょうか。たいていは、(1)~(6)のどれかに該当する行為があるはずです。銀行融資を受けるために不正経理をしたり、大切な取引先にだけ弁済したり、さらには追い込まれて架空売買でローン金を騙しとったり、という例は、法人破産では、日常的にあります。そうなると、ほとんどの破産で免責不許可となるはずですが、実際には、免責不許可となることはほとんどありません。確立にして1%もないでしょう。自分も、数えきれないくらい破産の申立てをしてきましたが、免責が不許可になった例は一軒もありません。これは、裁判所が、破産者が誠実に破産手続きに協力すれば、破産宣告前に問題行為があったとしても、免責するという基本方針をとっているからです。裁判所は、「金銭」配当だけでなく、債権者への「情報」配当を誠実に行えば、きちんと配当ができたと考え、裁量的に免責を与えています。参考までに免責不許可になった例は、破産申立て直前に多額の現金を費消し、それについて合理的な説明がなかった場合等がありますが、他方で、弊職が扱った例では、会社のお金を数億円横領しながら事実を素直に認め、財産も全て開示した例では免責が認められています。是非 ご購読ください。(大学でテキストとして利用されています。また楽天ブックス・ベストセラーの一冊になっています。)「図解で早わかり 倒産法のしくみ」森公任 森元みのり 共同監修http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4054定価: 1,890円(本体:1,800円+税) 「法的整理から私的整理まで、様々な倒産制度のしくみや実務上のポイントがわかる。また、解散・清算、M&Aの知識まで倒産関連の知識を集約。さらに、法人破産以外の個人民事再生や個人破産についてもフォローした一冊! 」
破産しないで借金をなくしてみせます by某NPO法人と名古屋の某弁護士 破産者と弁護士の義務 2014年08月23日 森法律事務所は、年間40社以上の企業の清算・再生を扱う、企業の整理再生に関しては、国内有数の法律事務所です。いつでも、お電話・メールをください。http://www.hasan-net.com/03-3553-5955弊所の特徴① 法人破産代表者破産の弁護士費用合計一律50万円②会社破産(個人破産は含まない)年間申立て件数40以上。国内トップレベル。③ 35年の豊富な実績と弁護士16名のマンパワー④破産会社代表者の破産後の生活確保に全力⑤ 従業員の給与確保と取引先への配慮に尽力電話の際は、必ず破産の相談ですと告げてください。専門部にまわします最近、あるデザイン系会社の自己破産手続きをした。実は、この会社は、今年の4月上旬頃、うちの事務所に来て今後のことを相談していた。状況からして破産しか選択肢がないことは明白で、その説明をしたが、代表者は,破産することに心理的な抵抗感があるようだった。それから音信が途絶えたが、8月上旬になって、ひょっこりと姿を現した。「やはり、破産をすることにした、ついてはうちに破産手続きを依頼することにした」という。そして、信じられないような事実を述べた。その代表者のかたは、破産すべきか悩んでいた時、ネットで某NPO法人の広告宣伝を見かけた。「破産しないで借金を消せる」とか、そういう類の宣伝文句がうたわれていた。そこで連絡を取ると、「うちの弁護士に依頼すれば、破産しなくても借金は消せる」という。ただ、その弁護士は、名古屋におり、依頼するなら名古屋の事務所に行かなければならない、ということだった。そこで代表者の方は、その弁護士に会うためにわざわざ名古屋まで行き、「破産しなくても借金は消せる」という凄腕の弁護士に面談した。その弁護士は、以下の通り、代表者に述べた。1、 私以外の弁護士は、すぐに破産しろというが、とんでもない話だ。2、 実は、借金を消すには、破産以外に消滅時効という制度がある。3、 まず債権者に介入通知を出す。4、 そうすると債権者は、直接債務者に請求できなくなる。5、 そのまま5年経過すればその債権が消滅時効にかかる。6、 その結果、破産しなくても借金はゼロになる。代表者は、すっかり舞い上がり、その名古屋の辣腕弁護士に依頼することにした。しかし、東京に返って落ち着いて考えると、何か、おかしい。周囲の人に相談しても、「怪しい」という意見が圧倒的だった。そこで、結局、うちに法人破産を依頼することにしたのだという。通常の金融機関なら必ず消滅時効前に判決をもらっており、5年経過で消滅時効にかからせるようなへまはしない。介入通知を出し、5年間ほっておけば、消滅時効にかかるなんてことはできないシステムになっている。ただ、おそらく、このNPO法人に騙された顧客は、かなり多いのではないか。大金を支払って5年経過したときに、自分が騙されたことに気付く。しかし、その時点では、もうそのNPO法人は実在しない。同一人物が、次々と別のNPO法人をつくっていくからだ。当該辣腕弁護士は、「自分はそんなことは言っていない」と言い逃れる。たぶん、契約書には、責任逃れの文言が記載されているはずだ。我々弁護士の世界では、「多重債務救済のNPO=怪しい団体」というのが常識だが、一般の方は、NPOは非営利団体で信用できると思い込んでいる方が結構いる。NPOだからと安易に信用しないほうがいい。是非 ご購読ください。(大学でテキストとして利用されています。また楽天ブックス・ベストセラーの一冊になっています。)「図解で早わかり 倒産法のしくみ」森公任 森元みのり 共同監修http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4054定価: 1,890円(本体:1,800円+税) 「法的整理から私的整理まで、様々な倒産制度のしくみや実務上のポイントがわかる。また、解散・清算、M&Aの知識まで倒産関連の知識を集約。さらに、法人破産以外の個人民事再生や個人破産についてもフォローした一冊! 」
破産制度を使って会社を再生させる 破産手続を利用した再生 2014年08月16日 森法律事務所は、年間40社以上の企業の清算・再生を扱う、企業の整理再生に関しては、国内有数の法律事務所です。いつでも、お電話・メールをください。http://www.hasan-net.com/03-3553-5955弊所の特徴① 法人破産代表者破産の弁護士費用合計一律50万円②会社破産(個人破産は含まない)年間申立て件数40以上。国内トップレベル。③ 35年の豊富な実績と弁護士16名のマンパワー④破産会社代表者の破産後の生活確保に全力⑤ 従業員の給与確保と取引先への配慮に尽力電話の際は、必ず破産の相談ですと告げてください。専門部にまわします「破産制度を使って会社を再生させる」 。こう書くと資金繰りに悩む多くの経営者は、「破産で借金が消えるから再出発できるという、弁護士さんがよくホームページなんかで宣伝している、あれね」と考えるだろう。そして、「その手の宣伝文句にはもう聞き飽きています」と内心思うに違いない。しかし、ここでいう再生は、そういう陳腐な再生ではなく、会社再生法を使うのと同様の効果がある破産制度利用だ。中小企業経営者のアナタは今資金繰りに窮している。確かに、毎期赤字だが、本業そのものは借入さえなければ何とかやりくりできる。借金を整理して事業を続けたい。こういうとき、弁護士は、普通、民事再生の手続きを勧める。しかし、民事再生の手続きには、やたらとお金がかかる。裁判所に収める予納金が数百万円、申立て代理人弁護士に支払う費用が同額。資金繰りに窮している多くの経営者は、その金額を聞くと、「そんな金額のお金、あるはずないだろう!!」と考える。多くの経営者は、資金繰りに窮し、絶体絶命にならないと弁護士の所には来ないからだ。さらに民事再生手続きは、世間的には倒産と思われがちで、たちまちにして企業価値が激減する。消費者相手の事業ならともかく、問屋とか業者相手の商売だと、一切相手にされなくなる。関係者の協力がないと、再生は、ほぼ不可能だ。しかし、事業譲渡し、その上で会社を破産させれば、企業価値を損なうことなく、事業を再生することができる。ただし、この方法が可能な業者は限られている。それは、あまり物的設備を利用しないサービス産業だ。破産制度は、破産会社を解体し、その物的資産を換価して債権者に配当するシステムだから、破産管財人の最大の関心ごとは、できるだけ多額の破産財団を形成することにつきる。そうなれば、破産管財人の報酬も、ぐっと跳ね上がる。そこで、破産者が事業譲渡を申し出た場合、管財人は、このまま物的設備を個々的に売った場合の売買代金と、事業譲渡した場合の売買代金とを比較し、前者の方が高ければ事業譲渡を否認し、後者の方が高ければ事業譲渡を承認する。例えば、アナタが美容院経営者で、大家さんから部屋を借りて美容院を経営していたとしよう。もし美容院を廃業するとしたら、原状回復費用が莫大なものになる。入居に際し差し入れた保証金は、その原状回復費用でふっとんでしまう。また、せっかく高額で購入した機材類も、ただ同然だ。その機材は、その店にあわせて設置されているからだ。さらに従業員解雇にともない、予告手当等の問題も生ずる。しかし、店自体を売却すれば、管財人の懐には、テナントの保証金相当額と造作代金買い取り代が入ってくる。原状回復費用も、機材廃棄処分費用も、かからない。何およりも従業員も失業しなくて済む。新しいオーナーから店を任せてもらえば、顧客も逃さずにすむ。どちらが、より高額の破産財団を形成できるかは明白だ。もっとも、本業が構造的に赤字の場合は、この手法は使えない。さらに人的設備よりも物的設備が重要な業種にも使えない。さらに、顧客が消費者でなければ使えない。是非 ご購読ください。(大学でテキストとして利用されています。また楽天ブックス・ベストセラーの一冊になっています。)「図解で早わかり 倒産法のしくみ」森公任 森元みのり 共同監修http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4054定価: 1,890円(本体:1,800円+税) 「法的整理から私的整理まで、様々な倒産制度のしくみや実務上のポイントがわかる。また、解散・清算、M&Aの知識まで倒産関連の知識を集約。さらに、法人破産以外の個人民事再生や個人破産についてもフォローした一冊! 」