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法人破産・代表者破産の弁護士費用合計は、一律50万円! 森法律事務所は企業の倒産・再生を得意とする法律事務所です。年間取扱企業整理件数は40社以上、国内トップレベルの取り扱い件数です。

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弁護士の介入通知で世界が180度変わる。(最判平成24年10月19日判決について)

森法律事務所は、年間40社以上の企業の清算・再生を扱う、企業の整理再生に関しては、国内有数の法律事務所です。いつでも、お電話・メールをください。
http://www.hasan-net.com/
03-3553-5955
弊所の特徴
① 法人破産代表者破産の弁護士費用合計一律50万円
②会社破産(個人破産は含まない)年間申立て件数40以上。国内トップレベル。
③ 35年の豊富な実績と弁護士16名のマンパワー
④破産会社代表者の破産後の生活確保に全力
⑤ 従業員の給与確保と取引先への配慮に尽力
電話の際は、必ず破産の相談ですと告げてください。専門部にまわします



[受任通知の意味]

弁護士は、破産事件を受任すると債権者に通知します。多くの弁護士は、「対債権者の窓口となり、直接請求を停止させるための通知」という程度の認識しかもっていませんが、実は、会社破産の世界では、この「受任通知」を境として、会社代表者の権利義務関係が180度変わります。
というのは、弁護士の受任通知の意味は、「支払停止」の一態様と認識されているからです。「支払いができなくなったから、弁護士が代理人になり、破産や再生、債務整理の手続きをとる」という意思表示は、その前提に、「だから、今後は支払わない」という意思も含まれていると考えられます。

[支払停止の法的効果]
支払い停止そのものは破産原因ではありませんが、支払い停止は支払い不能と推定されますから、「支払停止」=「支払不能」=「破産原因」と考えられます。
ただ、改正破産法は、この「支払停止」を基準点として、新たな法律関係が形成されることになっています。
① 第一に、[債権者に対する制限]が発生します。破産事件では、債権者は弁護士による受任通知を受けて,支払停止の事実を認識したとき以降に取得した債権・債務による相殺は制限されるのです。
② 第二に、[破産予定者に、厳しい規律]が課せられることになります。支払い停止後の無償取引行為や対抗要件具行為は、偏波弁済として管財人から否認され、会社代表者も、厳しい責任追及を受けるリスクが高くなります。

[銀行は預金と貸付金を相殺できなくなる]
特に重要なのは「支払停止事実認識後の相殺制限」です。
受任通知が届いたら、債権者である銀行は、受任通知後に、破産会社や破産会社代表者名義の口座に入金があっても、相殺できなくなります。この受任通知が、支払い停止とみなされるからです。その結果、
① 破産しても、個人名義の預金については、破産者は、通知後に入金された預金を自由財産として保持できる可能性がでてきます。
② 法人名義の預金については、通知後に入金された預金をきちんと破産管財人に引き継ぐことができるようになり、その預金は、取引先等への返済に回すことが出来ます。それは、従業員や協力業者に対しての配当にも回されることになります。破産手続は円滑に進行し、関係者の反発を和らげ、破産宣告後の対人関係も円滑になります。
こういう意味で、弁護士の受任通知は、単に「弁護士が窓口になるという連絡」以上に、非常に重要な法的効果をもたらすのです。
したがって、受任通知には、はっきりと支払い停止を意思表示しておく必要があります。

[最判平成24年10月19日判決について]
しかし弁護士には、この点の認識がなく、単に受任したという通知を出す弁護士が、結構、います。これが、問題になったのが、最判平成24年10月19日のケースです。

これは、企業倒産の案件ではなく、我々の業界用語でいう、いわゆるクレサラ事件です。サラリーマンが消費者金融から、おカネを借り過ぎたという事案で、この代理人は、次のような通知を出しました。
「当職らは、この度、後記債務者から依頼を受け、同人の債務整理の任に当たることになりました。」、「今後、債務者や家族、保証人への連絡や取立行為は中止願います。」
そして、この通知を弁護士に出してもらった後も、この債務者は、破産の決定が出るまでの間に,一部の債権者に,借金の弁済をしていました。

破産宣告後、破産管財人が、この弁済を「支払停止後の弁済である」として、否認権を行使し、債権者に、弁済金を破産財団に戻すよう訴訟提起しました。
これに対し、債権者は「通知書には、どこにも支払い不能と書いてないじゃないか」と反論したものです。

原審は,「自己破産する」との記載がないから支払停止に該当しないと判示したのに対し、最高裁は最判平成24年10月19日で
「自己破産を予定している旨が明示されていなくても、支払能力を欠くために一般的かつ継続的に債務の支払をすることができないことが、少なくとも黙示的に外部に表示されている」
として、本件受任通知は、支払い停止に該当すると判断しました。
そして、弁済受領者に弁済金を管財人に返金するよう判決しました。

この代理人が、なぜ、このような訳のわからない通知書を作成したかというと、消費者金融問題を熱心に追及している弁護士グループが出版したメジャーなノウハウ本に、「破産するとか民事再生する予定だ、などと余計なこと書くな、ただ受任通知と取引履歴の開示を求めよ」と記載してあるからです。この担当弁護士は、そのノウハウ本通りに受任通知書を送ったわけです。
これは、弁護士の出す介入通知を、ただ単に「消費者金融からの請求を停止させる」という意味としてのみ認識していたからで、この判決後、この本は、判決にあわせて、改訂版をだしています。ただし、改定したのは書式で、本文では、相変らず、「破産すると債権者に通告すると差押されるリスクがあるから、介入通知だけ記載したほうがいい。今後の予定は書くな」と書いてあります。ここいらあたりは、そう簡単には、裁判所の意見には従わないぞということでしょうか。

しかし、そうなると、通知を受けた債権者は、今後支払うのか不明なまま、じっと通知任弁護士からの次の連絡をまっているしかありません。それが、場合によったら1年くらい続きます。いくら何でも、これはやり過ぎなのではないと疑問を持つ方もおられるでしょう。
クレサラ被害追求関係団体が出版する書籍は、一般に、「消費者金融は悪であり、その悪を叩き潰す」という信念で書かれていることが多く、我々弁護士も、この点を踏まえて、自分のポジションとの対比で、参考にしたほうがよさそうです。


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倒産させる起業家の個性

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中小零細企業経営者が経営に行き詰る理由の一つに、経営者が、営業マンとしてあまりに優秀すぎたという例が少なからずあります。
起業する際は、たいていは、一人せいぜい少数の友人で起業する。最初は経営者というよりは、営業マンとしての能力が求められる。ところが、営業の能力が優秀だと顧客が増え、それに伴い組織も次第に大きくなる。組織が大きくなると、起業者は、営業の一線から次第に手を引き、経営に専念するようになります。
これは、見方をかえると、その組織は、有能な営業マンを失うということです。組織が大きくなればなるほど、この矛盾が拡大します。そうすると、経営が次第に傾くようになります。会社の稼ぎ頭である経営者が”かせぐ仕事”から遠のくのですから、当然と言えば当然の話です。
ところが、経営者として誠実であればあるほど、何とか組織を維持しようとします。経営者としてクールに、「従業員なんて、自分の給料のことばかり考えており、経営が傾けば、ネズミのごとく沈みかかった船から逃げ出す連中だ。」と割り切ればいいのですが、誠実な経営者ほど、なかなか割り切れない。「従業員にも生活や家族がある。何とか生活を確保しないと」と考えると、なんとか組織を維持しようと考えます。その結果、高金利業者に手を出したり、友人や親族に連帯保証人になってもらい、泥沼にはまってしまうのです。
起業しながら経営が傾いた経営者の中には、実は、営業マンとして優秀だった方が少なくありません。また誠実な方も少なくありません。会社破産は、決して経営者の人間性に問題があるというわけではないのです。(中には、倒産すべくして倒産したという人もいます)

そういう方は、いよいよどうにもならなくなって弁護士の所に相談に来るときは、手形の決裁日があと一週間、弁護士費用はもちろん、予納金も工面できない状況で、弁護士事務所に飛びこんできます。
我々弁護士からすると、もう少し早く来てほしいと思いますが、そういう経営者には、めったにおめにかかりません。
ただ、ぎりぎりまで、従業員や家族のために頑張ってくれたことを思うと、責めることはできないと思います。

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自由財産の拡張  代表者の生活を確保する

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[自由財産制度の趣旨]
会社代表者が破産すると借金も消えるけど財産も失う。しかし、会社代表者には、破産宣告後も生活はあり、妻子がおられる方も少なくない。やはり、最低限の生活資産は残したい。
こういう代表者の追い詰められた心理に注目して「倒産の裏ワザ」とか「リースバックで、破産しても家に住み続ける」とか、自分からすると、かなりアブナイことを堂々と勧めている弁護士もいる。
もしかすると、そういう弁護士たちは、何か特別なノウハウがあるのかもしれないが、自分には、そういうノウハウはない。これから話をするのは、そういう「普通の弁護士が手を出さない手法」ではなく、すごくまっとうな生活資金の確保である。「倒産の裏ワザ」とか「リースバックで、破産しても家に住み続ける」という破天荒な方法は述べないから、弁護士のほとんどが知らない、すごいテクニックかという期待はしてないでもらいたい。

[自由財産の範囲]
破産者が破産時に属する一切の財産は、本来は、全て破産財団に属し、すべからく換価されて配当に回される。しかし、これでは、破産者の更生が不可能になることから、破産法は、99万円の現金と差押禁止財産は、自由財産としている。つまり、これだけは、破産しても、手元に所持していることができるのだ。

[自由財産拡張の申し出]
しかし、これだけでは、やはり破産者や家族の生活保障が不十分な場合が多い、そこで、破産法は、破産手続き開始決定確定から一か月以内なら、自由財産の拡張を申し立てることができるとしている。
ただ、現実には、裁判所が、破産者からの自由財産拡張の申し出をいちいち判断するのは物理的に不可能だ。そこで、例えば、東京地裁は、在京弁護士会と協議し、一律に自由財産拡張の範囲を決めている。その範囲は、このブログでも述べている。
「法人破産の場合の会社代表者と家族の生活確保 Category:破産後の生活の確保
 Date:2014年07月12日」

しかし、現金なら99万円まで持てるのに、預金なら20万円までしか維持できない。なぜ、現金と預金で区別するのか。
しかも、預金でも現金でも、ともかく1円でも超えたら、全額が破産財団に組み入れらてしまう。預金残高を見たら、200,000円ぴったりだったのが、宣告日には利息がついて、たまたま200,001円になっていたら、全部財団に組み入れられてしまう。
誰がどうみても、合理性のかけらもない自由財産拡張基準だが、東京地裁は、かたくなにこの運用を守っている。大量の自己破産申請を処理する必用から設けた自由財産拡張基準であり、個別に判断することは避けているのだ。

以前は、この拡張基準以外は、判断せず一律に拡張を認めないという建前をとっていたが、現在は、99万円の枠内なら、ある意程度柔軟な対応をとるようにしている。
当然だろう。3か月分の生活費である99万円は、破産者の生活と再生のために残しておこうとういう趣旨からして、現金でなくとも、預金や保険解約返戻し金の合計が99万円なら、99万円の枠で自由財産を認めても良いと思われる場合もあるはずだ。

そこで、東京地裁では、99万円の枠を重視し、この範囲内なら柔軟に自由財産の申し出に対応しようとしている。破産者は、個人資産のうちから、99万円の枠の中で自由財産を確保できる場合があることになる。

ただ、必ず99万円の枠で自由財産が認められるかというと、やはり、拡張しなければならない強い理由が必要だ。このあたりの裁判所の基本的な判断基準をわきまえて行動するのが、申立代理人弁護士の力量というものだろう。
1、拡張の必要性
拡張するかどうかは、拡張の必要性がどれだけ強いかにかかる。扶養家族が多い、病気である、破産後、収入が確保できる予定がない、高齢である等の場合は、拡張の必要性は高いと言える。
これに対し、独身で健康だとか、会社員なので破産宣告後も収入が保証されている場合は、必要性は薄い。
2、破産財団の規模
拡張により破産財団がどの程度影響を受けるか、も重要な考慮要素である。破産財団の規模が小さく、拡張で財団債権への弁済さえままならないとなれ、かなり強い拡張の必要性が要求される。これに対し、財団規模が大きければ、必要性の程度は、多少は緩和される。

自由財産の拡張の裁判は、上記の二つのバランス判断で決められることになるが、その他に、拡張を求める財産の性質も考慮される。例えば、年金は本来差押禁止財産だが、通帳に振り込まれてしまうと単なる預金債権になり、20万円を1円でも超えると破産財団に組み込まれる。こういう場合は、拡張の必要性は高いと言えるだろう。


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受任通知の債権者への配慮  連鎖倒産防止への配慮

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会社破産申立事件は、破産申立後、ただちに債権者に受任通知を出すのが通例で、会社の実体がない場合には、破産申立て前に受任通知を出す。
その内容は、どの弁護士事務所も同じで、「当職が会社の代理人となり破産申し立てをした(する予定である)。ついては、今後は、弁護士である自分が窓口になるので、直接会社代表者や会社には連絡しないでほしい」というような内容である。弁護士特有の、官僚的な、ぶっきらぼうな通知書である。

消費者金融等が債権者の「個人消費者破産」ならそれでもよいが、会社破産の場合、債権者の多くは、企業である。その通知を受け取った企業が、最初に頭をよぎるのは連鎖倒産である。破産会社代表者も、自分の破産により、永年お世話になった得意先が連鎖倒産することを何よりも恐れる。

そこで、うちの事務所では、受任通知書に簡単だが、債権者に謝罪するとともに、経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)の利用について協力する旨を説明をし、あわせて他の連鎖倒産防止制度について触れるようにしている。

取引先企業が倒産した場合に、回収困難となった債権額を迅速に補填するための制度として、「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)」があるが、結構、この制度に加入している中小企業が多い。破産宣告を受けた場合または弁護士名の受任通知(支払を停止する旨の通知)が来た場合は、この制度を利用できるのだ。

この制度は、積み立てた掛金総額の10倍を上限として、焦げ付いた債権額相当額を、無担保・無保証人・無利子で融資するものである。ただし、8,000万円が上限である。これで連鎖倒産が結構防止できる。掛金が全額経費で節税できるし、解約すれば返金される。そういうこともあり、利用率は伸びているようだ。
もっとも、融資を受けた段階で、融資額の10%を取られてしまうから、デメリットもある。

その他にも、「経営安定対策貸付」「緊急経営安定対応貸付制度」「経営安定関連保証制度」があるが、これについては、顧問税理士さんが詳しいだろうし、都道府県商工会連合会と主要な商工会議所に設置している「倒産防止(経営安定)特別相談室」(275ヵ所)でも相談に応じてくれるので、その制度の存在を指摘するにとどめている。

破産申立で、永年の取引先に迷惑をかけることは確かだから、ただ単に「破産申立をした。今後は、弁護士が唯一の窓口になる」というぶっきらぼうな通知書よりも、ちょっとした配慮をすることが重要だと思う。取引先債権者が、これだけでも、だいぶ和らぐはずだ。



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破産開始後の事業継続

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破産は、会社を清算することだから、破産後の事業継続は、通常は、ありえない。しかし、破産会社を清算するより、その事業の継続をするほうが賢明な場合がある。破産法も、この点を考慮し、「破産手続開始の決定がされた後であっても、破産管財人は、裁判所の許可を得て、破産者の事業を継続することができる。」(36条)と規定している。
破産申立代理人としては、破産申請会社と十分協議し、この事業継続をするか否かを破産申立て前に検討し、破産管財人に引き継ぐ必要がある。事業を継続するか、どのように引き継ぐかは、まさに破産申立代理人の力量が試されるところである。

事業継続をすべき場合とは、「社会的影響を考えると事業継続が好ましい場合」か
「事業を廃止するよりも事業継続が経済的に有利な場合」である。
例えば、入院患者が多数いる病院、多数の予約客がいるホテル、まだ学生が残っている学校などは、「社会的影響を考えると事業継続が好ましい場合」である。
また事業を中断すると多額の違約金が発生する場合などは、「事業を廃止するよりも事業継続が経済的に有利な場合」にあたる。

ただ、自分の経験から言わせると、実務的に事業継続の有無が問題になる例が圧倒的に多いのは、建設会社の破産、製造会社の破産のときである。
事業を継続することが破産財団の増加をもたらすときは、事業を続けたまま、破産管財人に引き継ぐべきである。しかし、事業の継続は、多額の財団債権の増加をもたらし、破産財団の負担を増加させることになる。
破産申立代理人としては、財団債権の増加と破産財団の増加、この二つの増加を比較して、事業を継続したまま管財人に引き継ぐべきか否かを判断することになる。
判断がむずかしいときは、とりあえず事業を継続したまま破産管財人に引き継ぐべきだろう。あとは、破産管財人が裁判所と協議して決めるはずだ。

ただ、事業の継続と言っても、あくまでも破産手続きの中での継続であるから、継続と言っても、極めて短期間に限られる。すみやかに、事業を廃止するか、譲渡するかを決めなければならない。

なお、自分は、事業の内容よっては、そこで事業を中断し、それまでの清算をして、別の業者に引き継ぐという方法をとることが多い。




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