この両者の関係ですが ① 不動産は法161条に違反しない限り売却できる。 ② しかし、財産散逸防止義務の観点から、取得した売却代金は、必用な支出以外は、全て管財人に引き継ぐ必要がある。 ③ 破産申請代理人にも換価禁止の義務がある以上は、代理人弁護士が、換価行為に関与しても、これを理由とする手数料を、破産申請手数料と別に取得することは、換価が特別困難だったという事情がない限り、認められない。 と考えることになります。
【法161条が適用される場合】 適正価格でも、否認される場合は、どういう場合でしょう? 条文では、 ① 隠匿 ② 無償の供与 ③ その他の債権者を害する処分行為 の3つを規定しています。①と②は明確ですが、問題は③です。
ただ、例外的に、管財人が、不動産を財団から放棄してくれる場合もあります。 ① 川敷の土地とか、そもそも売れる見込みがない場合 ② 担保権者があまりに強硬で任意売却に応ずる可能性がない場合 には、管財人が財団から放棄するのは当然です。特に②の例が多いです。一番抵当権者が、土地の評価について非常に強気な見方をしており、任意売却の価格では、問題外として首を振らない場合です。 しかし、それ以外でも、以下の要件に該当する場合は、換価不能として財団から放棄してくれます。その場合の要件は、以下の通りです。 ① 相当期間(おおむね3か月程度)売却の努力をしたが、買い手が現れない。 ② 近い将来においても買受人が現れる見込みがない。