破産申立直前まで働いてくれた人たちへの支払いの可否 破産申請者の〇と× 2016年12月01日 森法律事務所は、年間40社以上の企業の清算・再生を扱う、企業の整理再生に関しては、国内有数の法律事務所です。いつでも、お電話・メールをください。http://www.hasan-net.com/03-3553-5955弊所の特徴① 法人破産代表者破産の弁護士費用合計一律50万円②会社破産(個人破産は含まない)年間申立て件数40社以上。国内トップレベル。③ 35年の豊富な実績と弁護士16名のマンパワー④破産会社代表者の破産後の生活確保に全力⑤ 従業員の給与確保と取引先への配慮に尽力電話の際は、必ず破産の相談ですと告げてください。専門部にまわします.破産するに際し、資金的に余裕があるなら従業員の給料は支払ってもかまいません。給料は、財団債権だからです。これに対し、役員や下請けには支払うことはできません。役員報酬や請負代金は、破産債権だからです。これは明確です。ところが、現実には、役員や請負といいながらも、労働者的性格も併せ持つパターンが少なくなく、代表者から破産申立直前に「○〇さんに支払っていいのか」と質問されても、回答に窮する場合が少なくありません。判断基準は、以下の2点です。① 会社の指揮命令下にあるか② 対価は成果に対するものではなく労働に対する成果か。[使用人兼務役員]日本のオーナー中小企業では、使用人と役員の区別が明確ではなく、取締役という名の従業員というパターンが非常に多いですね。当然、雇用保険なんかもちゃんと入っている。給与や役員報酬か否かの判断基準としては、業務の内容を検討し、会社の経営に関わることがらにどの程度関与していたのかを中心に判断し、役員になったときに業務内容に変化があったのか、報酬金額は役員や労働者と比較してどうか、等も、あわせて判断することになります。実務で問題になるのは、未払い「役員報酬」が、労働者健康福祉機構の立替払い制度の対象になるかですが、破産管財人からの証明書(管財人が役員を労働者と認め、債権認否においてもそのように扱うことの証明書)があれば、立替払いがされています。[一人親方・車両持込み運転手]建築関係で、いつも問題になるのがこれ。従業員と思いがちですが、請負という形をとっているパターンが多い。トラック運転手なんかも請負というパターンが普通です。しかし、実体は労働者で、社会保険料の支払いを免れるために請負という形をとるのも多いのが現実です。実体が労働者かどうかの判断にかかりますが、そのためには、業務時間や業務方法について指示命令関係があるか、他の業務を請け負える立場にあるか等を検討して判断することになります。最高裁H19・6・28は、一人で工務店の大工仕事に従事していた大工が労基法等の労働者に該当しないと判断されたケースがあります。また最判H8・11・28は、車両持込みトラック運転手が業務命令を受ける立場にありながら労働者性はないと判断しています。この二つの判例から推察するに① 仕事内容について裁量があるか② 勤務時間の指示命令があるか③ 他からの請負を禁止されているか④ 給与は時間制か出来高払いか⑤ 従業員と給与を比較して高額か⑥ 使用する道具は、会社のものか⑦ 就業規則や社会保険が適用されているかが判断基準になります。ただ、⑦の基準は、逆に就業規則や社会保険の適用を免れるためにあえて一人親方にしている場合もあり、重視すべきではありません。破産会社代表者や従業員の利益を守る破産申立代理人としては、できるだけ多くの人を従業員とすることで名目上従業員以外の人にも「給与」を支払いたいと思いがちです。しかし、破産申立代理人が、安易に財団性があると判断して代表者に「弁済」を許可しても、宣告後、管財人が財団債権性はないと判断した場合、申立代理人に賠償請求してくるリスクがあります。名目上従業員以外の人も何とか救いたいと思う気持ちは弁護士として大切なものですが、管財人からの賠償請求リスクも十分考えて行動する必要があります。(注)おかげさまで、このブログは、平日は一日で100人前後の訪問者がいます。総アクセス数は、一日で150件前後です。ただ、このブログは、主に専門家が実務の参考にすることを前提としたレベルで記載しています。会社破産の制度一般について知りたい方は、弊所代表弁護士森公任・副代表弁護士森元みのりの「倒産法の全て」148~189頁で、一般の方向けに簡潔かつ簡易に記載してあります。初歩的で全体的な情報が必要な方は、下記の本を是非 ご購読ください「図解で早わかり 倒産法のしくみ」森公任 森元みのり 共同監修http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4054定価: 1,890円(本体:1,800円+税) 「法的整理から私的整理まで、様々な倒産制度のしくみや実務上のポイントがわかる。また、解散・清算、M&Aの知識まで倒産関連の知識を集約。さらに、法人破産以外の個人民事再生や個人破産についてもフォローした一冊! 」新刊のご案内「 重要事項&用語 図解 トラブル解決に役立つ最新 民事訴訟・執行・保全 基本法律用語辞典 」森公任 ・森元みのり 監修 http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4313三修社「難しい」「なじみにくい」「わかりにくい」訴訟に勝ち、権利を勝ち取るために必要な法律や制度の全体像と知っておきたい法律用語が短時間でわかる!紛争解決に必携の書![専門家向け書籍]「簡易算定表だけでは解決できない養育費・婚姻費用算定事例集」新日本法規出版株式会社編著/森公任(弁護士)、森元みのり(弁護士)https://www.sn-hoki.co.jp/shop/product/book/detail_50910.html■価格(税込):3,780円平成27年9月発売「★適切な養育費・婚姻費用を算定するために!◆「養育費・婚姻費用算定表」を単純に適用できない、さまざまな事情を抱えた事例を取り上げ、増額や減額の要因となる事情別に分類しています。◆各事例では、算定上の「POINT」を示した上で、裁判所の判断やその考え方についてわかりやすく解説しています。◆家事事件に精通した弁護士が、豊富な経験を踏まえて執筆しています。 」(弁護士向け書籍でありながら8000部。弁護士の4人に一人が購入した計算になります。おかげさまで爆発的に売れています!)「離婚慰謝料の相場観と弁護士実務の重要ポイント」DVD森元みのりhttps://www.legacy-taxport.fpstation.co.jp/products/detail.php?product_id=2257&cat=822発行元(株)レガシイCD・ダウンロード 5,400円 DVD8,100円◎「慰謝料の相場はどれくらいですか?」と聞かれてパッと回答できる◎「裁判までするか」か「早期の離婚・親権獲得」優先か、判断がつく◎慰謝料請求の仕方、証拠収集のポイントも紹介! 婚姻費用や養育費、財産分与と比べて、離婚に伴う慰謝料が認められるか否か、認められるとして金額は大体どのくらいになるかという点は、弁護士の先生であっても意外と迷うと聞きます。今回は、離婚に伴う慰謝料の相場と考慮要素を、不貞や暴力など類型別に解説し、依頼者に裁判をしてまで請求するかどうか決めてもらうための情報をお伝えします。また、請求や主張の仕方で気を付けるべきことや必要な証拠にも触れていきます。[一般向け書籍]「カラー版 一番よくわかる 離婚の準備・手続き・生活設計」 共同著編者 森 公任・森元 みのり 2015年07月 発売http://www.seitosha.co.jp/2_3950.html販売価格 1,404円 離婚に悩むあなたの「知りたい」に応える決定版!!「離婚という難題に直面している方の一歩を踏み出す道しるべになる本書は、離婚が認められる理由から、離婚までの準備、お金や子供についての考え方、離婚に関わるさまざまな手続きまで、離婚前後のあらゆるステージを網羅し、図解&イラストでわかりやすく解説しています! 」(おかげで第3版。それに伴い若干内容を改定しました。発売から半年間、Amazon・家庭法部門でナンバー1のベストセラー)代表弁護士森公任と副代表弁護士森元みのりで、そのほか下記の本を出版しています。是非、ご購入ください。[遺産相続関係]「図解 相続・贈与・財産管理の法律と税金がわかる事典」森 公任・森元 みのり 共同監修2015年05月 発売定価: 1,944円(本体:1,800円+税)http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4172「人の死と同時に必ず発生する相続。相続が発生した場合の相続分、遺言、遺産分割、登記、裁判所での調停などの手続き、相続税知識まで幅広くフォローしています。また相続が発生する前から準備をしておきたい事項について、贈与税の知識や生前契約、成年後見、信託などの財産管理契約のしくみについても解説しています。相続登記申請書、遺言状、契約書、家事調停手続きなどの書式サンプルも豊富に掲載しています。平成27年度の税制改正にも対応した安心の1冊です!」「相続・遺言をめぐる法律と税金トラブル解決法129 」 森 公任・森元 みのり 共同監修1,944円(税込)1,800円(税抜) 三修社http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4116「非嫡出子の相続分改正や平成27年1月施行の相続税制改正など、最新の内容をわかりやすく解説! 相続の基本ルールから遺言、財産評価、遺産分割、 相続税・贈与税対策まで。法律・税金の重要事項、手続きを幅広く網羅」【本書でとりあげる主なテーマ】相続の基本ルール/遺産分割/遺言書の書き方/相続財産の評価/相続税・贈与税のしくみ/税金対策/相続問題をサポートする機関や相談先/公正証書作成/調停や審判の手続き/相続登記/申告手続き など「ケース別相続分早わかり」など、豊富な図解とQ&Aで相続問題を平易に解説!「最新 図解で早わかり 改正対応! 相続・贈与の法律と税金」森公任 ・ 森元みのり 共同監修 http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=3992 三修社 定価: 1,890円(本体:1,800円+税)「本書では、相続分や遺産分割、遺言など相続のしくみについて詳細に解説するとともに、相続税や贈与税のしくみ、教育資金の一括贈与に伴う贈与税の改正など平成25年度の税制改正についてわかりやすく解説しています。さらに遺言書や相続手続きにそのまま利用できる書式なども掲載し、相続手続きをスムーズに進めることができるよう工夫しました。」 PR