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破産者が遺産分割未了の不動産の相続分を有している場合

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被相続人は母。相続人は長男Aと次男B。遺産は居住用不動産のみ。長男Aは多額の負債を負担している。このケースで考えてみる。
[破産直前に遺産分割をした場合]
Q1 破産申請予定者Aが破産直前に遺産分割をして次男Bが全遺産を取得するという遺産分割をした。破産後、破産管財人は、この遺産分割を否認できるか
A1 否認できる。

民法906条は、遺産の種類や性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態、生活の状況等を考慮して遺産分割をするとされており、明らかに取引法とは異なる基準を設けており、一身専属的な行為の性質を有するようにも思える。
しかし、遺産分割に関しては、最高裁は、詐害行為の対象になるとしている。遺産分割は、法定相続分で共有している不動産の持ち分を分割清算する取引であり、共有物分割と異なるところはないというのが、その理由である。
ただ、「本来の取得分」にしたがって分割すれば否認されない。上記の例で言えば、AとBが、不動産を2分の1の割合で共有取得するという遺産分割なら否認されない。それでは、Aに多額の特別受益があり、あるいはBに多額の特別寄与があるため、Aの具体的相続分がゼロの場合、全遺産をBが取得するという遺産分割は有効だろうか。

Q2 上記の例で、破産申請予定者Aは、破産直前に相続放棄をして次男Bが全遺産を取得した。破産後、破産管財人は、この相続放棄を否認できるか
A2 否認できない。

相続放棄は、一身専属的な行為であり、否認の対象にならない。

Q3 遺産分割未了のままAが破産申し立てをした。破産管財人は、遺産分割請求権を行使して家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができるか。調停に当事者として参加するのはAかAの破産管財人か。
A3 破産管財人は、遺産分割請求権を行使でき、調停に当事者として参加する。
最高裁は、遺産分割は、共有物分割と同じだと割り切っているから、管財人は、遺産分割請求権を行使できるし、遺産分割の当事者にもなる。遺産分割請求権に一身専属性はない。
破産法238条は、「破産者が破産手続開始の決定後にした相続の放棄は、破産財団に関しては、限定承認の効力を有する」としたうえで、「破産管財人は、(限定承認の効力ではなく)、相続の放棄の効力を認めることができる。」としている。(ただし、相続の放棄があったことを知った時から三月以内に、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない)。これは、管財人の当事者性を前提とした規定であると解されている。登記先例(H22・8・24法務省民二2077号)も、同様に処理している。

Q4 上記の例で相続人Bに全遺産を相続させる遺言があった。遺留分減殺請求権を行使するのは相続人Aか破産管財人か。
A4 相続人Aが行使する。管財人はできない。
遺産分割請求権は、管財人が行使するが、遺留分減殺請求権は、一身専属権であり、行使できるのは遺留分を侵害された相続人だけであり、管財人は行使できない。
したがってAが遺留分を行使しないときは、管財人は、相続財産を財団に組み入れることはできない。

Q5 上記の例で、相続人Aは、遺留分減殺請求の意思表示をして減殺請求訴訟を提起した後に破産した。破産管財人は、訴訟を受継できるか。
A5 破産管財人は訴訟を受継できる。
慰謝料請求訴訟は、性質上、破産管財人は受継できないとされている。しかし、遺留分減殺請求は形成権であり、意思表示と同時に、当然に物権的効果が生ずるから、管財人が登記返還請求や金銭返還請求ができる。当然、訴訟も受継できる。

(注)
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